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第4号
『宇宙の根っこにつながる瞑想法』

(飛鳥新社)2001年

競争社会の荒波の中でゆったり泳ぐ智慧
 「いまの世の中にとって、一番必要なものは、いったい何だろうか」
 何となく混迷を深める日本社会、その混迷は変革の準備であるようにも見えます。しかしながら、次の変革の方向性はさっぱりわかりません。
 私は瞑想を日課にしているので、何か疑問が浮かぶと瞑想して心を静め、答えが自然に浮かび上がってくるのを待ちます。あるとき、深い瞑想から出てくると、冒頭の疑問が解けました。次の変革に最も必要なことは、多くの人が瞑想を実習することだ、と。
 瞑想を実習することで、「心の平安」を獲得できます。瞑想を身につけると、より豊かな人生を歩めるようになるのです。
 それは、私自身の体験に裏づけられています。かつては、猛烈企業戦士として、CD(コンパクト・ディスク) の開発、、NEWSワークステーション(専門家向けコンピュータ)の開発とビジネス化など数々の実績を上げました。しかし、一向に満足感が得られません。
 ところが、瞑想を始めてしばらくすると、価値観がガラリと変わりました。狂烈企業戦士であることに、さしたる意義を見いだせなくなってしまったのです。
 そのかわり、人間として何か意義のあることをしよう、という欲求が出てきました。科学と宗教と精神性の接点を調べ、それを本に著しました。「マハーサマーディ研究会」 というスピリチュアルな団体を組織したり、ケーナという南米の民俗楽器の演奏に取り組んだりしました。
 会社の仕事の方は、以前ほど時間やエネルギーを費やしていないのですが、ロボット犬「AIBO」の開発など、実績が上がっています。
 不思議なことに、自分自身としては、必死に何かをやるという態度はなくなって、どこかうすらぼんやりしているのですが、自分が関与するすべてがうまくいくようになっていったのです。
 何よりも、自分の周りの時間がゆったりと快く流れるようになり、いつも上機嫌でいられるようになりました。
 したがって、瞑想を実習すると個人の生活が豊かになることは、確信がありました。しかしながら、社会の変革と何らかの関連があるなどとは、夢にも思っていなかったのです。ところが、私は「瞑想こそ、次の社会の変革の中心課題だ」とひらめいたのでした。