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2001年06月『コルテス島』

 私ごとになりますが、この何ヶ月間か気管支を痛めておりまして、咳が止まらない状態が続いています。日常生活にはとりたてて困らないのですが、管楽奏者なのでサクスフォーンやケーナが吹けなくて、つまらない思いをしています。

 じつは4月26日から5月3日まで、私が主催しているマハーサマーディ研究会で、カナダに旅行に行ってまいりました。桐島洋子さんとお嬢さんがホステス役をやってくださって合計36名で出かけました。

 主な目的地は、バンクーバーから北に飛行機で飛んだコルテス島で、そこで4日間過ごしてきました。このコルテス島のことをお話ししたいと思います。

 もともとこのコルテス島というのは、アメリカ先住民がお祭りをやるために、聖なる島として、とくにキープしていた島です。アメリカ先住民のお祭りというのは祈りです。そういう意味では、年に一度、大きなお祈りをするための島なので、ひじょうにエネルギーの高い島でした。

 そこにホリーホックというスピリチュアル・スポットができていまた。スピリチュアル・スポットというとわかりにくいかもしれませんが、要するに、魂を浄化したい、心を癒したい人が来て、いろいろなワークをしながら過ごす場所です。

 世界的に見ますと、スコットランドのフィンドホーンとか、カリフォルニアのエサレンとかいうのが有名ですが、そのエサレンをやっていた人たちがそこを飛び出して、このコルテス島でホリーホックというスピリチュアル・スポットを始めたのです。

 島ですから、周囲は海に囲まれていて、その向こうに雪をかぶったロッキーマウンテンが見え、ものすごく景色がよいところです。森林が鬱蒼と茂っていまして、その森林の中に点々とコテッジが建っています。そのコテッジの窓からの景色もすばらしいのです。食事もベジタリアンが多いので野菜が主ですが、すばらしくおいしい。そこで作っている野菜を料理して食べさせてくれるのですが、それがとてもおいしかったのです。

 我々はそこのセミナーハウスを借りて過ごしました。まず朝6時に私がパイプセレモニーをして、それからヨーガーをやったり、いろいろなプログラムを毎日やりました。

 今日お話ししたいのは、コルテス島に行きますと、時間がたいへんゆっくり流れているなということを実感したことです。空気も重い感じがします。これはエネルギーの場が強いところに行きますと、そういう感じがするのですね。

 そこでいろいろなワークをやり、それからエサレンマッサージというトリートメントを受けました。これはアロマ・マッサージと、ロルフィングという筋膜の癒着をはがす手法を組み合わせたようなマッサージです。それでほとんど昇天状態になりました。

 それからもうひとつは、ディジュリドゥというオーストラリアの先住民の楽器を使った癒しのワークがあって、それでも意識が飛んでしまうような感じになりました。そのほかにダンスのワークがあったり、そんなことをいろいろやりながら4日間をゆっくり過ごしました。

 ちょっと見上げると、空にイーグルが20羽、50羽飛んでいて、ほんとうに自然に恵まれた場所でした。ふと気が付くと咳が出でいなかったのです。なんの原因で気管支を痛めたのか気が付かなかったのですが、そのホリーホックの4日間で咳が出なくなっていました。

 これはしめたと思ったのですが、日本に帰ってきて4日間くらいすると、また咳が出はじめてしまいました。それと同時に、東京で過ごしていると、とりわけ私は大企業の中で過ごしていますから、まわりの時間がものすごい勢いで過ぎていきます。したがって時間に追われているという状況になっている気がして、それと同時に咳が出はじめていました。

 体のテンポが東京に合わなくなってきているのかなという気がしています。ですから、ずっと都会で過ごしている人というのは、その時間がすべてだと思っていますが、そういった別 の場所に行ってみると(外国にかぎらず、日本にもそういう場所はたくさんあると思いますが)、時間の流れが違うことに気が付くと思いますし、じつに体調がよくなります。

 私の場合は、瞑想とかいろいろやってきていますから、そういう体が多少不整合を起こしているのかもしれません。そんなことを思いながら、どっちがいいかというと、やはりゆっくり流れている時間のところで人生を過ごしたいと、あらためて思ったわけです。