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2004年10月『カナダ・マニワキ 聖なる集いに参加して』(2/4ページ) |
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スピーチ1/:「希望に焦点をあて、感謝する」
まず最初に、ウィリアム・コマンダ大長老、ロモーラさん、人見朴子さんに深く感謝をします。おかげ様で、私たち「日本部族」はここまでやってきて、この集いに参加することができました。また、この特別な日々を共に過ごす、お集まりのすべての皆様に感謝をしたいと思います。さらには、この集会に参加している、たくさんの目に見えない精霊たちにも感謝します。
私たちは一昨日ここに到着しました。ティピを建てた後、その中で最初の瞑想セッションを執り行ないました。「般若心経」を唱えているとき、多くの人が精霊たちの存在を感じました。そのほとんどは、先住民の霊でした。彼らのこの地上における人生は、とんでもなく過酷なものでした。多くの苦しみ、悲しみ、悲劇があり、多くの血と涙が流されました。
彼らの存在を感じたとき、私たちも涙しました。
というのは、かつて地上での人生がそれほど過酷であったにもかかわらず、今日彼らは喜んで私たちをサポートし、導き、そして教えてくれようとしているからです。しかしながら、同時に彼らが地上にいるときに、やり残した仕事を私たちが継承していくことを、切に期待されていることを忘れてはいけません。
いま、母なる地球は困難な状況に直面しています。その困難さは、彼ら先住民たちが、百年前、二百年前に経験した困難さと、まったく同じ種類のものです。昔は、地域が限定され、先住民だけが苦しみました。それがいまや世界中に拡大され、母なる地球が苦しんでいるのです。しかしながら、内容的にはまったく同じことが繰り返されています。
今私たちは、多くの精霊たちのサポートを受けて、母なる地球のために働けることに喜びを感じています。もちろん、私たちは人生の終わりまでに、この仕事を完結することはできないでしょう。でも、この仕事は私たちの子供達、孫たち、曾孫たちに引き継がれていくでしょう。
いつの日か、今日お集まりのすべての皆さんは地上での人生を終え、ふたたび虚空の中でお会いすることになるでしょう。早くくる人もいれば、遅くくる人もいます。でも、全員に必ずくることは間違いありません。そしてそのときも、嬉しいことに我々はウィリアム・コマンダ大長老と一緒なのは確実です。そして、虚空から、皆で私たちの子孫を見守り、サポートし、導いていくというすばらしい役割が待っています。
皆さんはそのとき、今よりはるかに忙しくなることは請け合います。なぜかというと、例えば私が日本でパイプ・セレモニーを行うときにも、きわめて多くのアメリカ先住民の霊が応援にかけつけてくれるからです。多分彼らは、航空券も買うことなしに太平洋を飛んでくるでしょう。
さて、今回の集いのメイン・テーマは「水」です。母なる地球の多くの問題点の中でも、水の汚染はとりわけ深刻な問題です。私たちは毎日のように悲しい現実を見、深刻なニュースを聞きます。
しかしながら、それらの多くの深刻な情報とともに、さらに多くの希望の芽がめばえていることも忘れてはいけません。もちろん、この集いそのものが希望の象徴であります。
もし私たちが、困難な状況、深刻な状況をお互いに嘆き合うということばかりを熱心にくりかえしていると、その状況はますますひどくなるでしょう。なぜなら、この地球上で起きることは、すべて私たちの集合的意識の反映だからです。本人は、その状況に反対しているつもりなのに、逆にその言動がその状況を固定化する方向に働くのです。
逆に、私たちが希望の持てる状況に焦点を当て、そのことに感謝を続けるなら、ますます希望が持てる状況が拡大するでしょう。それが宇宙の法則であり、正しい祈りの方法です。パイプを預かる人達は自らそういう祈りをし、スピーチをし、また人々にもそういう祈りができるように導くべきでしょう。 ここに集まった皆様は、「赤い道」を歩んでいる誉れ高い戦士たちです。世界全体の人口に比べればはるかに少ない人数ですが、私たちの祈りの力は世界を動かすのに十分なほど強力です。どうか皆さん、正しい祈りの方法を学んでください。
さて、昨日は朴子さんが水に関する三つの希望の話をしてくれました。一つ目は、微生物を上手に組み合わせて使うと、水を強力に浄化できることが日本で発見され、急速に世界にひろまりつつあることです。二つ目は、人間の想念や言葉により、水の結晶が変化する可能性についてでした。三つ目は彼女が実行している自然農法の話でした。太陽と土と水があれば、一切の農薬も肥料もなしに立派な作物が育つということです。
私も、水に関するとても希望を持てる話を皆さんに披露し、皆さんと共にそれを感謝したいと思います。 これは、日本の東京湾で実際に起こった話です。
40年前の東京湾は、言葉にできないほど悲惨な状況でした。ヘドロが蓄積し、色はブルーではなく緑で、悪臭が漂っていました。私は外洋ヨットのオーナーのひとりでしたが、東京湾を航行している間は、ずーっと鼻をつまんでいなければいけませんでした。澄んだ水域に到達するのに、4、5時間はかかりました。
東京都議会というのは、とんでもない人達に占められており、その90%はとんでもないデシジョン(決議)をしております。しかしながら、その残りの10%の良いデシジョンの中の一つに、東京湾をきれいにしようという議決がありました。
その時点では、誰が見てもこれは不可能だと思われました。というのは、東京というのは人口1400万人の世界一の大都市なのです。東京湾にはきわめて多くの川が流れ込んでおり、その流れに沿っておびただしい数の工場が立ち並び、家があり、よごれた排水を垂れ流しているのです。
しかしながら、東京都は条例を作って、家や工場廃水の浄化を義務づけ、厳しい検査によりひとつひとつの工場と対決していきました。ところがすぐ解るように、川というのは多くの県を流れており、東京だけ浄化しても東京湾はきれいになりません。
日本政府は、とんでもない人々に占められており、99%の議決はとんでもないデシジョンです。しかしながら、残りの1%の良いデシジョンの中に、工場廃水の浄化の基準を厳しくするというのがありました。つまり、日本中の河川を東京都なみに浄化しようとしたのです。当然、産業界からは激しい反撥がありましたが、もう世論はその反撥を許さないところまで来ていました。
そして、40年がたちました。 正直いって、その間に起こったことは、いまでも信じられないような気持ちで一杯です。東京湾は見事によみがえったのです。
あれほど堆積していたヘドロが、いつの間にかなくなっていました。東京湾をヨットで航行する時も、もう鼻をつまむ必要がなくなりました。以前には、遠くの漁場まで行かなければいけなかった漁師たちは、1400万人が住む巨大都市のすぐそばで魚をとらえ、その魚は立派に市場で売られています。
いまの若者たちは、かっての泥にまみれて悪臭をはなっていた東京湾を知りません。そして、あたり前のように沿岸でウィンド・サーフィンや水泳を楽しんでいます。
奇跡が起こったのです。母なる地球にとって, 40年の年月はほんの一瞬です。その一瞬のうちに、広大な東京湾が浄化されたのです。彼女の浄化の力がいかに強いか、驚きを禁じ得ません。私たちは単によごすことを止めればいいのです。
もちろん、この奇跡を現実化するためには、きわめて多くの人々の献身的な努力が必要でした。東京湾を浄化しようと決心した人々、条令を作り検査を強化した人々だけでなく、工場側も廃水を浄化するために多大な努力をしました。そして何よりも、経済成長よりも東京湾の浄化が大切だ、ということを支持した多くの大衆の力も見逃せません。
これらすべての人々、そしてこの一連のアクティビティを支えてくれた精霊たち、そして汚染に耐え、すさまじい勢いで自然の浄化をしてくれた母なる地球に心から感謝したいと思います。
東京湾をはじめとする日本近郊の海や河川の浄化は、希望の印です。同じことが、世界中の海や河川で起きることは間違いないでしょう。その後、環境ホルモンの問題など、また新たなる問題がいくつか発生していますが、すでにそれが指摘されているということは、人類の叡智は必ずそれを克服できるということです。感謝し、そして希望を持って前進しましょう。
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